こんにちは、アメリカ在住の はる(@uchiyamaru0914) です。
前回の記事に続き、7月の旅行記の続きです。
2023年7月1日~4日に独立記念日を含めた連休を利用してフィラデルフィア・ボルチモア・ワシントンD.C.の3都市へ行ってきました。アメリカ建国の歴史をめぐる旅です。いずれもアメリカの歴史を語るうえで欠かせない重要な東海岸の都市です。
この記事では旅行3日目に訪れたワシントンD.C.を紹介していきます。
旅の概要、1日目に訪れたフィラデルフィアはこちらの記事で書いています。
ワシントンD.C.ってどんなところ?
アメリカの首都として有名なワシントンD.C.は、東海岸のメリーランド州とヴァージニア州に挟まれたポトマック川河畔に位置する小さめの都市です。
その名前は初代大統領ジョージ・ワシントンにちなんでいます。またD.C.とは「District of Columbia(コロンビア特別地区)」の略で、どの州にも属さない独立した都市です。
アメリカ合衆国連邦政府やホワイトハウスなどがあり、アメリカの政治といえばここワシントンD.C.をイメージする人も多いはず。
政治的な機関が集まるだけでなく、国の記念建造物や博物館も多く、人気の観光地となっています。その中心にあるワシントン記念塔は、ジョージ・ワシントン大統領の功績を称えて建てられたワシントンD.C.の象徴的なランドマークです。
ワシントンD.C.の歴史は、1790年にアメリカ合衆国憲法によって国の首都として設立されたことから始まります。アメリカの最初の首都はニューヨーク市でした。その後、フィラデルフィアが新都建設までの臨時の首都であった10年間を経て、1800年にワシントンD.C.に首都が移転されました。
それ以降、アメリカの政治的中心地であり、国際的に強大な影響力を持つ世界都市として重要な役割を担っています。
無料とは思えない!数々の有名観光スポット
ワシントンD.C.では多くの観光スポットが無料で楽しめてしまいます!アメリカの首都として、色々な補助金で賄われていると思うのですが、どこも無料とは思えないクオリティで、行きたいところがありすぎて困ってしまうくらいです。
そんな中から、私たちが今回の旅で訪れたスポットを中心に事前予約が必要な場所とそうでない場所に分けて紹介していきます。
事前予約が必要なスポット
- アメリカ合衆国議会議事堂(見学ツアー)
- ワシントン記念塔(展望台への入場)
- スミソニアン博物館の一部
アメリカ合衆国議会議事堂(見学ツアー)
アメリカ合衆国議会議事堂(United States Capitol)はアメリカ合衆国議会の議事堂で、ワシントンD.C.の中心部に位置しています。ランドマークであるワシントン記念塔の東側にあります。
この建物は、初代大統領ジョージ・ワシントンが1793年に礎石を置き、1800年に使用が開始されました。直径29mもある巨大なドームが特徴で、全米50州にある州議会議事堂の建物の雛形となっています。
アメリカ合衆国議会は上院と下院の2つの議院から成り、アメリカの立法機関として機能しています。法案成立のためには、両院の合意が必要で、各議員の任期・議選出方法が異なります。それにより、日本の衆議院・参議院と同じように両院それぞれが異なる視点から法案を審議し、多角的な議論を可能にしています。
無料見学ツアーが実施されており、約90分のツアーで一般の人も国会議事堂内の一部のエリアに入ることができます。参加するには事前予約がおすすめです。
※公式サイトでも事前予約が推奨されていましたが、私たちが訪れたタイミングでは当日受付もやっていました。待機列は長そうでしたが予約がなくても見学は可能なようでした。
見学ツアーはビジターセンターからスタートします。事前予約している場合でも参加者はビジターセンターでチケットの引換が必要です。
(※ツアーに参加せずビジターセンターのみ見学可能・入場料無料)
ビジターセンターに入る前に厳しめのセキュリティチェックがあります。
空港の様な設備で手荷物をX線に通し、自分もゲートをくぐってチェックを受けます。注意点として液体の持ち込みNGで、ペットボトルの水であっても持ち込むことができません。(中身が空のボトル、水筒はOK)
詳細はこちらを確認ください。
◆見学ツアー
ツアーではシアターで15分ほどの映像を見た後、ガイドさんとともに国会議事堂内の3ヶ所を見学します。荘厳な雰囲気でワシントンD.C.観光の必見スポットです。
①ロタンダ
「円形の建物」という意味のロタンダ(Rotunda)はツアーの目玉です。ドームの真下の部屋で、その高さは約55mもあります。
この部屋では360度ぐるりとアメリカ史の重要な出来事を描いた迫力のある絵画、ジョージ・ワシントン大統領をはじめ歴代大統領や歴史的偉人の彫像、そしてそのワシントン大統領が神格化した姿を表す天井画を見学することができます。天井画はとても美しかったです。
アメリカにとっての初代大統領ジョージ・ワシントンの重要性や偉大さがひしひしと伝わってくる場所でした。
②国立彫像ホール
過去には下院議院としても使用されていたこの部屋には、現在は50州から各2点ずつ寄贈された合計100点の彫像が展示されています。いずれも各州の歴史的な偉人たちです。
③クリプト
国会議事堂1階にあるドームの真下、ロタンダの階下の部屋です。40本の円柱とアーチ形の天井がロタンダを支えています。
床の中央にある星印が必見ポイントで、これはワシントンDCの街路が配置され番号付けされた際に中心となった地点を示しているそうです。
参考として公式サイトが公開している日本語のツアーガイドのリンクを張り付けておきます。【公式】日本語ツアーガイド
ビジターセンター(The U.S. Capitol Visitor Center)の展示ホールも充実しています。展示物が多く、見ごたえ十分でした。上院議院、下院議院の紹介エリアに分かれています。ゆっくり見ていたら2時間くらい使ってしまいそうな規模でした。
展示ホールは見学ツアーに参加する前の待ち時間を使って見学するのがおすすめです。ツアーの予約時間よりも少し早めにビジターセンターに到着するといいでしょう。見足りない時にはツアー終了後に見学することも可能なので、じっくり楽しみましょう。
ワシントン記念塔
ワシントン記念塔(Washington Monument)はワシントンD.C.を象徴する建造物でその高さは約169mあります。
展望台に上るには事前予約が必要です。公式サイトから見学日の30日前と前日に予約がスタートします。入場料は無料ですが、予約サイトのシステム利用手数料で1枚につき1ドルかかります。
ワシントン記念塔 展望台予約サイト
Washington Monument, National Mall and Memorial Parks - Recreation.gov
残念ながら我々は予約を取ることができず、今回は外から見学しただけです。
予約しようと決めたとき30日前をすでに過ぎていて空き枠がなかったため、前日の予約を狙いました。予約開始時間である10:00にスマホを握りしめてスタンバイしていましたが、アクセス集中でなかなか予約ページに行けず、開始2分後にはあっという間に「満席」になってしまいました。
繁忙期ということもありますが、想像以上に大人気のようなので、行きたいと思っている人は早めの予約が必須です。展望台と小さな博物館のように展示物少しあるようなので、また機会があればリベンジしてみたいです。
国立航空宇宙博物館
この国立航空宇宙博物館(Smithsonian National Air and Space Museum)はスミソニアン博物館というワシントンD.C.のナショナルモールを中心に広がる博物館群のうちの一つで、その中で入場者数がNo.1の博物館です。
この博物館も入場は無料ですが、人気の博物館のため2023年現在、事前予約が必要です。予約しないといけないことを前日まで知らなかった我々は、ここも外から見ただけです。(前日にはすでに予約が埋まっていました…泣)
入場予約をしていてもやはり大人気博物館、入るまでに少し時間がかかるのか、外には列ができていました。また次の機会があれば、ぜひ行ってみたいです。
スミソニアン博物館の事前予約の要否など、詳細はこちらから確認してみてください。
ほかにも国立動物園(Smithsonian National Zoological Park)とアフリカ国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館(National Museum of African American History and Culture)も事前予約が必要です。
事前予約が不要なスポット
- ホワイトハウス&ビジターセンター
- ナショナル・モール散策と記念碑見学
- スミソニアン博物館
ホワイトハウス&ビジターセンター
大統領のおうち、ホワイトハウスです。
アメリカ関連のニュースを見ていると必ずと言っていいほど登場するので、映像ではほとんどの人が見たことあると思います。せっかくワシントンD.C.にきたら、アメリカを象徴する建物ホワイトハウスは必見です。
残念ながら、一般人は中に入ることはできませんが、柵の外からは見学できます。それでもあの有名なホワイトハウスの実物を見られるということで、テンションが上がります。
裏側は裏庭に隣接する通りから間近に見学できますが、正面は通りを1本挟んだ少し遠い場所からの見学となります。それでも正面も裏側もたくさんの観光客でにぎわっていました。
付近には警備の人が配備されていたのでセキュリティもバッチリな様子でした。
「外から見るだけでは満足できない!」という方はぜひ、ビジターセンターにも行ってみてください。
こちらも入場時にセキュリティチェックがありますが、入場料はやっぱり無料。
広々とした1フロアの展示室になっていて、ホワイトハウスでの大統領の仕事、そしてプライベートな暮らしぶりを知ることができます。
歴代大統領の皆さまがずらっと並んでいたり、
新大統領就任時のホワイトハウスへの引越の様子などが紹介されていました。
この肘掛け椅子はホワイトハウスで昭和天皇も同じ種類のものに座ったそうです。1975年にブルールームという部屋で、当時のジェラルド・R・フォード大統領と対談しました。
ナショナル・モール
ナショナル・モール(National Mall)はワシントンD.C.の中心部にある国立公園です。アメリカで最も訪問者の多い国立公園とも言われています。リンカーン大統領を始め、多くの記念碑がありアメリカのために活躍した英雄たちを称えています。
西端のリンカーン記念堂から東端の国会議事堂までは東西約3Kmに広がる広大な公園ですが、公園を囲むようにスミソニアン博物館群や国有の美術館が広がり、散歩をするだけでも楽しいです。
毎年7月4日の独立記念日には、花火が打ち上げられることでも有名です。
リンカーン記念堂(Lincoln Memorial)
アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンを記念して建立された、大統領記念建造物の一つです。
建物はギリシャの建築様式で作られていて、1963年にキング牧師の「I Have A Dream」の演説が行われた場所としても有名です。1966年には国家歴史登録財に登録されています。
想像していたよりも大きな彫像で、その迫力に圧倒されました。縦と横の幅はどちらも約5.8mもあります。
建物前の階段からはワシントン記念塔が真正面に見えます。水面に美しく反射するのも美しいです。ちなみにこのプールは「リンカーン記念堂リフレクティングプール」という名前だそうです。そのままですね…笑
ジェファーソン記念館(Thomas Jefferson Memorial)
こちらも大統領記念建造物の一つでアメリカ合衆国第3代大統領トーマス・ジェファーソンを記念して建立されました。ナショナル・モール南側にある人工池・タイダルベイスン(Tidal Basin)のほとりにあります。この池に沿って広がる日本から贈られた桜の木も有名で、春には多くの観光客が花見を楽しみます。
建物は国定記念建造物に指定されていて、このドームの中に高さ約5.8mのジェファーソン大統領の銅像があります。内部の壁にはジェファーソン大統領の言葉や、独立宣言から抜粋された言葉が刻まれています。
ここからもワシントン記念塔がきれいに見えます。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念碑(Martin Luther King, Jr. Memorial)
日本ではキング牧師として知られるマーティン・ルーサー・キング・ジュニアはアフリカ系アメリカ人の公民権運動の指導者として1950年代~60年代にかけて活躍したアメリカの偉人です。
大統領ではない個人を称える記念碑としてはアメリカ史上4番目のものだそうです。
花崗岩に刻まれたこの像は約9.1mあり、キング牧師の「I have a dream」の演説の中にある「絶望の山から希望の石を切り出すことができる」という一節を表現しています。
美しい池タイダルベイスンに向かって立つキング牧師は、すべての市民が地平線のように正義と平等を目指し努力する姿を見守っている印象を与えます。
朝鮮戦争戦没者慰霊碑(Korean War Veterans Memorial)
この碑は朝鮮戦争(1950~53年)で犠牲になった米軍の人々を称えるために建てられました。
19人の兵士の像がありますが、上の写真左手に壁があり、その壁に像が反射すると38人の兵士がいるように見えるそうです。この「38」という数は朝鮮戦争の2国の境界線である北緯38度線を表しています。そんな思いが表現されていたなんて訪問時は全く知りませんでした。
スミソニアン博物館群
スミソニアン博物館(Smithsonian Museums)は一つの博物館の名前ではなく、スミソニアン学術協会によって運営される科学、産業、技術、芸術、自然史の博物館群・教育研究機関複合体の呼び名です。ワシントンD.C.だけでなくニューヨーク市、バージニア州、アリゾナ州、メリーランド州や海外(パナマ)に置かれたものもあります。
一部の特別展を除き入場は無料ですが、先述の通り一部の博物館は事前予約が必要です。その中で今回訪れた事前予約不要の博物館を紹介します。
スミソニアン博物館の一覧はこちらから
国立自然史博物館(Smithsonian National Museum of Natural History)
映画「ナイトミュージアム2」で使われたことでも有名な博物館です。
センターホールにあるアフリカゾウのはく製や、化石エリアは人気展示です。
鉱石・宝石エリアの巨大な青いダイヤモンド「ホープ・ダイヤモンド」も必見です。
国立アメリカ歴史博物館(Smithsonian National Museum of American History)
歴史好きにおすすめの博物館です。第二次世界大戦についてアメリカ側から見た紹介は興味深かったです。
博物館のコレクションには、ジョージ・ワシントンの制服、エイブラハム・リンカーンのトップハット、トーマス・ジェファーソンのライティングデスクなどがあります。
また、1814年のボルチモアの戦いで使われた「星条旗」も展示しています。これは前回の記事で紹介したフランシス・スコット・キーが「星条旗」の歌詞を書くきっかけとなった旗です。今回1時間ほどしか滞在できず、時間切れで見られませんでした。残念…。
前回の記事・ボルチモア編はこちら
ナショナル・ポートレート・ギャラリー(National Portrait Gallery)/ スミソニアン・アメリカ美術館(Smithsonian American Art Museum)
ひとつの建物が左右で2つの美術館に分かれています。
中でも興味深かったのは肖像画を展示するナショナル・ポートレート・ギャラリー。大統領の肖像がコーナーにはオバマ大統領の肖像画もありました。
他の博物館よりも営業時間が長く、19:00までやっていたのでその日最後の訪問場所にもおすすめです。
スミソニアン協会本部(Smithsonian Castle)
2023年現在、改修中のため中を見学することはできませんでした。
案内所になっており、どこの博物館に行こうか悩んでいる人は最初に訪問するといいかもしれません。
ほかにも気になるスポットがたくさん
国立公文書館
自然史博物館のすぐそばにある国立公文書館(National Archives Museum)にはアメリカ3大文書とも言える独立宣言書(Declaration of Independence)、合衆国憲法(The United States Constitution)、権利の章典(Bill of Rights)の原本が保管されており、一般に公開されています。アメリカ人はこの原本を一目見ようと、展示室は大人気のようです。それ以外にも歴史的に貴重な資料が多数展示されています。
入場は無料ですが、こちらも入場時のセキュリティチェックがあります。また内部の撮影は禁止なので、オリジナルの独立宣言書を見たい方はぜひ訪れてみてください。
米国植物庭園
米国植物庭園(United States Botanic Garden)は国会議事堂の西にある植物園で、アメリカの中でも最古の植物園の一つです。1820年に設立、1933年から現在の場所にあります。
巨大な温室では様々な地域の植物が見られます。博物館を見るのに疲れたら自然の中でほっと一息つくのもよさそうです。ここも無料で入場できます。
無原罪の御宿りの聖母教会
無原罪の御宿りの聖母教会(Basilica of the National Shrine of the Immaculate Conception)は中心市から北東に車で10分ほどの場所にあるアメリカ最大のカトリック教会です。
教会の中も見学できるらしいのですが、ちょうど行ったときに何かやっていたのか警備や参拝の人が多くいました。観光目的の私たちが入ってよいものか不安になってしまい今回は中に入らずに建物だけ見て退散しました。それでも外からでもわかるその大きさに威厳を感じました。
行った人の写真を見ると、高い天井に描かれた絵画やステンドグラスがとても美しく、せっかくなら入ってみればよかったかな、と悔やまれます。
おわりに
見どころ盛りだくさんのワシントンD.C.でしたね。博物館や美術館が好きな人は何日あっても飽きずに観光できそうです。
今回3都市を回ったので1日しか観光できなかったので、また機会があればワシントンD.C.だけにしぼってのんびりと博物館めぐりに来たいです。
無料で楽しめる場所がほとんどなので、たくさんのスポットを短時間で回るもよし。好きな分野の博物館をじっくり見るもよし。自分なりのマイ観光ルートを計画してみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございます!
「④最終日!ピッツバーグで寄り道」編に続きます。次で最後です。
ではまた~